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2018年3月25日日曜日

システムに頼りすぎないことの大切さ

デンマークで過ごす最後の日曜日である。すっかり春の陽気で、空は青く、風も穏やかな一日だった。帰国へのカウントダウンが進む中、順調に家のものは片付きつつある。そして、食べきれない食材も見極めがつくようになった。

今日は午後からまちに出かけた。あわせて、食べきれない食材と、まだまだ使うことができる生活家電を秋田の国際教養大学からオールボー大学に留学している学生に譲りに行った。喜んで受け取ってもらえるのが嬉しい。今後、またそれがどなたかの手に渡っていくかもしれないことを思うと、それはそれで楽しい。


便利さを追求すればきりはない。しかし、「足を知る」ことの大切さを、この1年間の暮らしで痛切に感じてきた。そんなことを、今日、話の話題にする機会があった。この1年、何度か通い、オールボーの中で、唯一「行きつけの店」と言うことができるハンバーガー店「Burger GO」のオーナーで店長のNamさんとの会話である。

ベトナムにルーツのあるNamさんは、同じくアジア出身の私たちに本当に気をかけてくださった。幼少の頃からデンマークで暮らすNamさんゆえに、デンマーク人に対しても、冷静で厳しい目を向けている。中でも、「7:3くらいの割合で社会的弱者を支えることができる社会システムが構築されているとして、それが5:5のバランスになったとき、制度は崩壊する」など、特に若者の失業率・無行率の高さについて悲観的な視点をお持ちだった。留学生たちにもおすすめしているこのお店での語りを通して、他者を尊重しつつも互いに支え合うよりよい社会の仕組みづくりの担い手として成長を遂げていく経験を重ねてもらえれば、と願っている。


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