ブログ内検索

2017年5月11日木曜日

動物園で多様性に触れる

昨日は1日、セミナーでのインプットが続いたので、今日はアウトプットの一日にすることにした。充電と放電、そういうメタファーを使いたくなるが、そんな単純なことではない。この文章もまた、ノートパソコンで打っているが、バッテリーの充電が100%な状態でも外部電源をつないでいるときもある。結局、何かの状態を維持するということは、そんな簡単なことではない。

例えば、論文を執筆するというのは、目的としてはアウトプットだが、その過程では膨大なインプットを必要とする。書くためには読まねばならず、読むためには別の何かをする時間を削らねばならない。それぞれに等しく与えられた1日24時間、分にして1,440分、秒にして86,400秒をどう使うか、これをタイムマネジメントという横文字でも、時間管理というやや古風な言い方でも、どちらにせよ個人に求めているのが現代社会である。少なくとも産業革命を迎えるまでは、太陽や月などの動きと共に、場合によっては為政者の言動のもとで、言わば他律的に動いていただろう。

この1年間、授業を持つこともなく、異国で研究のための休暇を過ごさせていただいているという身分に感謝をしつつ、午前中は故郷(と言ってよいであろう)の浜松へ、メッセージビデオを作成した。2年前から携わらせていただいている「みんなの浜松創造プロジェクト」の平成28年度のクロージング、平成29年度のキックオフ、その両者の性格を兼ねたミーティングのためである。既に先週には原稿を仕上げていたが、約1週間寝かせ、再確認した上で、3分ほどの語りを収録した。基本的には瞬発力で語ることが多い私ではあるが、時には手間暇かけた料理のように、熟成させて仕上げるときもある。

インプットとアウトプットは、充電と放電という機械のメタファーだけでなく、呼吸という生命体のメタファーでも捉えられる。吐くこと、吸うこと、その両方が大事であることは言うまでもないが、多少の乱れがあっても生きていくことができるものの、乱れた呼吸は整えていかなければならない。そんなことを思ったのは、今日の晩には、北デンマーク国際会館の企画により、オールボー動物園で「多様性の夕べ」が開催され、足を運んでみたためである。生きづらい世の中とは息苦しい環境にあるのだろう、と、多様な人種や国籍な人々のみならず、種や起源の異なる生きものが混ざり合う場に行きつつも、日本語の韻律に楽しんでいるのであった。


0 件のコメント:

コメントを投稿