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2017年5月25日木曜日

空、澄み渡る。

自分の色が出せるようになる、それが手に職をつけるということかもしれない。ここで言う色も、比喩である。顔色という時には皮膚の色だけでなく表情全般を捉えるし、声色というこきには声の質だけでなく強弱や間の取り方なども含まれる。文章の場合には文字色とは言わないものの、特徴が色濃く出た綴り方、という表現が成り立つだろう。

かつてNHKの松平定知アナウンサーは「こんばんは、みなさん」と、倒置法での挨拶をすることにより、その存在が広く知られるにようになったという。それは茶の間という存在や機能がそれぞれの家に根付いていた頃の話である。この茶の間という表現を使い続けてきたのが明石家さんまさんで、ご長寿クイズなどの名物コーナーがあった「さんまのSUPERからくりTV」という番組の最後、プレゼントの当選先が視聴者となるとき、決まって茶の間と呼んでいた。こうして、どの言葉を選ぶかは、誰を向いて仕事をしているのか、自ずからその姿勢を反映するものとなろう。

1週間ほどかけて練った原稿を、締め切り当日となってしまったが仕上げることができた。投稿先は季刊のオンラインマガジンであるため、次は3ヶ月後に締め切りがやってくる。今回が連載の初回ということで、レイアウトを含めて、フォーマットから作成する必要があり、それもまた楽しむことができた。次回の予告も入れたため、継続して素材の収集にあたっていくこととしたい。

原稿を送り終えた後、お客さんを迎えにオールボー駅に向かった。今日はイースターから40日目で、デンマークでは休日である。夕方の5時でもまだまだ空は明るく、長い昼を楽しむ季節でもある。果たして、原稿にどんな反応をいただけるか、自分の色が出せているか、むしろ悪いところが出ていないか、気になることも多々あるが、待ち人が駅から出てくる直前、見事に澄み渡る空が、晴れやかな自分の気持ちを表しているかのようだった。



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