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2017年5月3日水曜日

基礎が問われる

今日はスケジュール満載の一日だった。とはいえ、1つの用事と、2つのセミナーがあるだけ、である。日本にいたときに比べれば、それほど慌ただしい一日ではない。何より、デンマークと日本では時間の流れ方が違う、と言ってよく、それぞれの場所を渡り歩く上で、気持ちが軽い。

朝は街場へと出かけた。5日が締め日の家賃の振り込みに、である。もろもろ調べた結果、オールボーでデンマーククローナを手に入れるには、日本のクレジットカードでのキャッシングが最適であると判断し、先に依頼していた海外使用時の限度額の引き上げ完了通知が届いたためであった。こちらは通常3営業日以内という期日のうちに届いたものの、4月初旬に口座開設を申し込んだ銀行からの通知は未だ届かない。

街場からは直接、昨日、予習をしていたセミナーの出席のため、オールボー大学の図書館に向かった。出席したのは、大学の「Learning Lab」が主催するPBLの連続セミナー(2回目、1回目は一時帰国中のため不参加)で、Anette Kolmos教授による「PBL in Engineering Science」(工学教育におけるプロジェクト学習)というテーマであった。基本的な内容は、既にケンブリッジ大学から出版されている『Cambridge Handbook of Engineering Education Research』の第8章「Problem-Based and Project-Based Learning in Engineering Education」(ちなみに、この内容はPBLの歴史を概括しつつ、国際的なネットワーク等についても言及された秀逸な論考で、ぜひ、日本語で訳出したいと、本日申し出た)に沿ったものであった。セミナーの後半は参加者(20名弱)によるグループワーク(4グループ)に分かれ、同書でも紹介されているPBLにおけるカリキュラムの7要素のうち、教職員の関わり方(恐らく、ユネスコチェアのプログラムに採択され、事例を中心とするPBLを推進するオールボー大学としては、教職員はファシリテーターとして関わるべし、という前提があるためと思われる)を除いて、6つの要素((1)プロジェクト形態[内容重視か方法論重視か知識重視か学際的な展開重視か]、(2)プロジェクトのスタイル[大学寄りか現場寄りか]と問題の大きさ[狭いか広いか]、(3)学生の構え[教員主導か学生主導か]、(4)学びの場のあり方[グループ用の部屋の有無、オンラインシステムの組み上げ方]、(5)評価方法[個人重視かグループ重視か]、(6)最終目的[知識の獲得か、理論の構築か])から、それぞれに思う理想的なPBLのスタイルを語り合う、というものとなった。

図書館でのセミナーは時間どおりに終了し、続いて向かったのは、先週も参加した心理・コミュニケーション学部の文化心理学研究センターによるKitchen Seminarであった。今日のテーマは「自らの可能性を広げる教育としてのインターンシップ」だった。先週は金継ぎという日本の文化の側面から発言して貢献させていただいたが、今回は実践的・理論的、両面から、多少の貢献が出来た気がする。実際、その際に紹介したいくつかの議論について、後からメーリングリストで文献を紹介することとなり、今後も続くお仲間としての関係性が深められているように思う。








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