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2018年2月5日月曜日

日々の変化に敏感になる

立命館大学の学外研究制度によりデンマークに滞在させていただいて11ヶ月が経つ。こうした制度は英語圏ではサバティカル(sabbatical)と呼ばれている。3年に1回の頻度で適用している大学もあると聞く。それだけ、インプットとアウトプットのバランスを大切にしているのだろう。

思えばこの数年、あるいは数十年、ただただ前を向いて過ごしてきた。時に前のめりになりすぎているという実感を携えるときもあった。もちろん、適度に振り返ることもあった。しかし、バランスを崩しながらでも、なんとか耐えてしのいで物事に向き合った際には、石につまづき、よろめいてしまった場面も数々あった。

転じて今、日の出や日の入り、そして窓の外の風景に目を向け、これまでは見ていなかった、あるいは見えていなかったことへの感覚を磨くことができている気がする。何を見るかの対象(figure)と、それを際立たせる背景(ground)との関係は図と地の関係と言われる。図と地の関係については、20世紀初頭(1915年と言われる)、デンマークの心理学者、エドガー・ルビンが考案した「ルビンの壺」を想い起こすことができれば、ピンと来るだろう。窓の外の風景に目を向けるのは、図と地の関係をあえて反転させて物事を捉えるということになる。

今朝起きると、「鳥の餌が釣ってあるよ」と妻が声を掛けてきた。一昨日、下の階のお宅が、恐らく前夜のパーティーで余ったお菓子か何かを芝生に巻いたところ、鳥たちが大量に集まり、数秒でなくなった。今回は木に吊されているため、少しは持ちそうな気配である。多くの鳥たちの越冬の支えになればと願っている。


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