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2018年2月17日土曜日

世界のPBL界にデビュー

今日から3日間、サンタクララ大学で開催される国際PBL会議2018に参加する。2000年から2年に1回、米国を中心として開催されてきてたもので、今回で20回を数える学術会議である。ちなみに開催されていない年には、2008年から国際PBL研究大会(IRSPBL: International Research Symposium on PBL)が開催されており、こちらはUNESCOチェアプログラムでPBLの拠点として整備されたオールボー大学が事務局となって、世界各地を回っている。


会議自体は昨晩のオープニングセレモニーで幕を開けたものの、各種のプログラムは今日からであった。プログラムの形式は以下の8つである。参加者どうしが設定されたテーマのもと話題提供者と共に気軽に語り合う(1)ラウンジ、実際に授業で用いられた成果物の作成を追体験することで何かを創り出して文字通り持って帰る(2)スタジオ、6人から12人のグループで設定されたテーマを掘り下げる(3)ラウンドテーブル、3人から5人の話題提供者による(4)パネルディスカッション、特に方法論や評価に焦点を充てた小グループでの(5)ワークショップ、実社会の問題を取り上げてどのような授業が展開可能か議論する(6)問題解決演習(Autentic PBL Problem Trigger)、1人20分の発表と10分の質疑応答による(7)分科会、在席責任時間1時間の(8)ポスターセッション、という具合だ。アメリカでの開催ということもあり、英語力に多少の不安を覚え、パネルディスカッションや分科会を中心に参加することにした。


ちなみに今日の基調講演はオランダのエラスムス(Erasmus)大学のHenk Schmidt先生だった。プロフィールによると、Henk Schmidt先生は2009年9月から2013年11月までエラスムス大学の学長を務めたとあるものの、それ以上に、前任校であるマーストリヒト大学でPBLが導入された当時に在職をしていた方である。各種学会での活動をはじめ、輝かしい経歴をお持ちの先生ということもあって、心理学の観点からPBLを研究するオールボー大学の同僚、Casperは相当、期待を掛けて参加していた。


ところが、少なくとも基調講演で語られた内容は、PBLが座学よりも優れた教授法であることを質問紙調査の結果から示すことが中心とされた。しかも、PBLの類型の中でも言わばCase-Based Learningであり、実際の問題を授業で扱うことによって、学習への動機付けを図るというもので、恐らくCasperはその姿勢を問わないではいられなくなり、フロアから質問をした。実際、オールボー大学の心理学科では、Project-OrientedなProblem-Based Learningによって、学習への動機付けだけでなく、習得すべき専門性のより深い理解を促すことが目的とされており、オールボー大学で学外研究をする機会を得てよかったと痛感するエピソードを得た。


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