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2018年2月19日月曜日

新たな選択肢を探していくチャレンジ

国際PBL会議2018、最終日である。朝は連日と同じく、基調講演から始まった。今日の話者はDigital Promise社のCEOのKaren Catorさんだった。Karenの経歴は輝かしいもので、オレゴン大学で学校運営(school administration)の修士号を取り、アラスカでの教員経験の後、Appleの教育部門で働き、2009年から2013年までは教育省の教育工学室の長を務めたという。


講演のテーマは「効果的な学びの原則(The Principles of Powerful Learning)」だった。簡単にまとめると、効果的な学びでは、(1)実在する本物の問題(authentic and real problems)を扱い、(2)学習者個人(personal)が、(3)チームの一員となって(team-based collaboration)、(4)きちんと調べた上(inquiry-focus)で、(5)我が事として(builds ownership and agency)取り組むことが鍵であるという。そして、最後は「挑戦にもとづく学習(Challenge-Based Learning)」の概念を提示し、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に照らし合わせ、浄水と衛生をテーマに取り組む場合の展開方法(なぜそれが大切かを問い続け、調べたものを地図への落とし込みなどの形でまとめ、具体的な問題解決の実践をしていく)を例示した。


隣で受講していた私のオールボー大学での受入担当教員の一人、Mongesの最初の感想は「基調講演なのか、セールスプロモーションなのか…」というものだった。例示された水質浄化の取り組みについても、工学系の取り組みであれば、そうした最善の解決策を競い合って(つまり、時にネガティブな語感をも伴うProblemではなく、ポジティブな印象をもたらすChallengeという言葉を使うことによって)を導き出すこともできるだろう。しかし、このパワフルなプレゼンテーションを振り返る中、少なくともオールボー大学の心理学科や、立命館大学サービスラーニングセンターの取り組みでは、競争の中で正解を見つけていくタイプよりも、共創の中で新たな選択肢を探していくタイプの学びが求められていると、私は実感した。


基調講演の後は、最後の分科会がなされ、もう一人の私の受入担当教員、Casperがプレゼンテーションを行った。お昼をはさんでクロージングセッションがなされて、会議は幕を閉じた。ふと、サンタクララはAppleの本社のあるクパチーノの隣町であることに気づき、CaltrainでSunny Ville、そこから55系統のバスで旧本社(Apple Campus)、そして徒歩にて新本社(Apple Park)に散歩をした。Apple CampusのAppleストアではボールペンとタンブラーに、Apple ParkのVisitor CenterではTシャツと帽子に、それぞれ「限定」という言葉が頭によぎる中、欲を抑えて、記憶のみに留めることにした。




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