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2016年4月15日金曜日

行くことを妨げぬよう・行くことで妨げぬよう

 「天災は忘れた頃にやってくる」とはよく言ったものだ。寺田寅彦のことばと言われている。同じ場所で忘れたころにやってくるだけでなく、思いもよらない場所で突然やってくるものである。それは昨日、2016年4月14日、熊本での地震でも痛感した。
 春の夜、家では晩酌を、まちでは宴席を、場合によっては残業をしている方も、こどもたちは塾で勉強を、など、それぞれの時間を過ごしていたことだろう。震源の浅い内陸型の大規模地震であった。行方不明者の発表がないが、亡くなった方のお名前が程なく伝えられることになった。今後も余震に見舞われることで、家屋倒壊はますます増えるだろう。物的被害だけでなく、精神的な不安が体調不良をもたらすと推察できる。
 今日は後輩とランチを一緒にする予定が入っていたが、「延期しましょうか?」という伺いのメッセージが真夜中に届いていた。私の振るまいを察してのことである。しかし、これまでの災害でも即座に駆けつけることはしてこなかった。むしろ、長期にわたる支援に備える姿勢である。
 午前中、京都よりは震源かつ被災された地域に近い別府から、立命館アジア太平洋大学のスチューデント・オフィスの方から電話が入った。土日に現地で活動したいという学生たちがいるので、何らかの助言が欲しいのと、指針となる文書はないか、という問い合わせだった。ちょうど昼から災害復興支援室の会議ゆえ、学生らを思い起草した。長い散文に思いを込めた。

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