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2016年4月26日火曜日

開かせず開くように

 「楽勝科目」などと言われる立命館大学サービスラーニングセンター科目「地域参加学習入門」だが、シラバスは緻密に設計され、内容も硬派である。回を重ねるごとに、受講生らには世の中への態度や見識が問われる。何より大講義にもかかわらず、毎回グループワークが入る。しかもグループのメンバーや人数は固定されず、毎回お題の趣向も異なるため、「ぼっち」を好む学生は苦痛でしかない。
 先週は選挙制度から自治を問うた。毎回、地域参加学習入門では、落語でいうマクラの部分で、前回との接続を感想用紙と映像で行う。そのため、今回は2007年の東京都知事選挙における外山恒一候補の政見放送を用いた。大爆笑となる年があるのに対し、感想用紙には「怖かった」と文字が多々あったことからも、合わなかったとみえる。
 そもそも立命館大学のサービスラーニングは「社会で学ぶ自己形成科目」の位置づけである。よって、地域参加学習入門以外でも、毎回、他者と関わる。他者を通じて自分を見つめるのだ。そのため、2限は「気になっていること」を、3限は「熊本地震の報道でわからないこと」を、4限は「自分にとってのインターンのイメージ」を、5限は「時代祭への構え」を、6限は「国際交流とは何をすることなのか」が問われた。
 殻に包まれる方が楽なときもあろう。安心もできよう。しかし、周りに閉ざし続けるのは楽ではない。無論、開かせるよりも、開くよう促すこともまた、楽ではないのだ。

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