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2016年4月20日水曜日

四角い部屋を丸く掃く

 本音と建て前、両者は対置されて語られる。水曜日ゆえに、朝は英語のレッスンだった。今日のお題はドイツ・メルケル首相の難民支援についてであった。小説家、ダニエル・カールマンによる記事では、国を危機に追いやったと中傷する人がいるものの、良心(conscience)に基づく行為が、結果としてヨーロッパを救った、と示された。
 午後からは新潟・小千谷の塩谷集落へと向かった。先に入っていた大阪大学の渥美公秀先生と長岡駅で合流した。このところ、共同研究者のあいだで経費分担をする流れがあり、今回は渥美先生の研究費にお世話になった。車中、先週末の熊本の様子を伺い、私からはインターネットの世界でどういう言説が重ねられているかを紹介した。
 塩谷では来月の田植え交流会の段取りを詰め、収穫後のお米の扱い方について意見交換を行うことになったが、住民の皆さんから、熊本の話をぜひ、という流れになった。2004年の新潟県中越地震で大きな被害を受けた皆さんゆえに、何かしたい、という思いが根差している。実際、塩谷では集落を出る選択をした方々が役職者に就いている団体「芒種庵を創る会」が、刈羽村や南相馬市、さらには楢葉町との交流を重ねている。今回も、何か動くだろう。
 渥美先生によれば、現地は「四角い部屋を丸く掃いている感じ」という。度重なる地震が続き、支援拠点の整備も容易でない。時間の経過にあわせた支援はいかに可能か。経験知が問われている。

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