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2016年4月16日土曜日

えにしの留め金

 熊本のことが気になりながら、朝から東京へ向かった。年中行事の一つ、「ことしもまた、縁を結ぶ会」に参加のためである。今は国際医療福祉大学にお勤めの大熊由紀子さんが呼びかける会だ。私は2002年度から2004年度まで、大阪大学大学院の人間科学研究科に社会人院生で学んだことが縁となっている。
 私は大阪大学も母校の一つである。渥美公秀先生のもと3年間、地域共生論と掲げられた研究室で学び、修了し早11年になる。入学当初、全院生・教員の合同合宿「チャンプール」でのラウンドトークで、「さん付けでどうぞ」と、隣に座られた由紀子さんはソーシャルサービス論の担当だった。そんな多彩な院生・教員・職員・研究テーマが並んだボランティア人間科学講座は、既にない。
 「カメラが得意なら、記録のお手伝いを」と投げかけられ、撮影にお邪魔して10年になる。毎年、300人程が内幸町の日本プレスセンタービルの10階に集う。阪大時代に圧倒された多彩さを追体験しているようで、実に学びと気づきの深い場である。中でも私は福祉と医療の分野での挑戦者たちの気迫とファインダー越しに向き合えている。
 同志社では4期にわたりゼミを担当したため、明確に弟子がいるが、立命館では教養担当ゆえ、それは叶わない。ただ、こうした場に参加すると学界での親戚のような方々とつながりあえる楽しみがある。先輩や後輩との再会もある。由紀子さんが留め金の縁、来年への期待も大きい。

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