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2017年12月27日水曜日

手の間

今日はランチを自作した。振り返れば、妻が外出して以来のことのように思う。「まにあわせ」と「ありあわせ」の違いにこだわっている私は、食品棚を見て、冷蔵庫を開け、有りものを使って作るのが流儀である。その際、ちょっとした工夫をしようとして残念なことになってしまうのが定番となっている。

もともと、凝り性である。したがって、料理も嫌いではない。段取りを整えて調理し、盛りつけして配膳するという一連の流れは、どこか論文を書く際の流れとも似ている。今、オールボー大学で「キッチンセミナー」と題して、旬のテーマを話のつまみに語り合っていることも、料理と研究とのあいだで類推できること(アナロジー)があることの証であろう。

そんな中でのランチのメニューはカルボナーラに決めた。スパゲッティーがあり、卵があり、と、順に目を向けるにつれて、お皿に盛りつけされたイメージが浮かんできためだ。ところが、生クリームがない。何か工夫のしどころはないかとインターネットで調べてみると、生クリームなし、かつ、白身も含めて全卵でつくるレシピを紹介している方がおられた。

調子よくレシピのとおりに作ってみたところ、やはり残念な結果となった。ベーコンではなくハムで代用したために塩味が足りなかったこと、フライパンで牛乳が煮立った後に充分に冷めぬまま溶き卵を投入したためにとろみが保たれなかったこと、この2点が主要な敗因である。私にとっては時に「本当に出来るの?」などと問われたときに「やるよ!」と変に意固地になって、結果として失敗するというネガティブなサイクルにはまることがある。ふと、気仙沼市役所にお伺いした際「出来ませんとは言いません」というスローガンが掲げられていた(参考:日経グローカルNo.278、2015年10月19日号)ことを思い出し、次こそ、気仙沼の方々の丁寧さに敬意を表しつつ、手間をかけてきちんと仕上げることにしたい。


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