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2013年2月21日木曜日

手続きと段取り

役柄なのか、時節柄なのか、人柄なのか、調整事が続く日々である。今日は朝の9時、9時半、10時と、立命館の朱雀キャンパスで3つ連続の予定であった。そのうち9時半の打ち合わせが、11時過ぎまで続いた。ちなみに、打ち合わせと会議は言葉として使い分けており、打ち合わせはmeetingという英語からも明らかなように対面での意見交換、会議はconferenceの動詞形conferから紐解けるように複数の事柄を持ち寄って決める場を意味している。

調整事と言っても、その性格は多種多様であり、優先度、緊急度、重要度、そうした度合いの高さをもとに、丁寧に言葉が交わされる。無論、通常は緊急度が高いものには決定までの時間が優先され、重要度が高いものには決定までの慎重さが優先される。そういう意味で、よい調整のためには、よいメンバー、よい議題、よい資料、そしてよい場づくりが求められる。このあたりは学生時代から悩みに悩み、今でこそ「ファシリテーション」というキーワードで多彩な知恵をインターネットなどからも得ることができるのだが、1998年を前後して大学コンソーシアム京都によるNPOインターンシップ・プログラムのプロジェクト「NPOスクール」(ちなみに、この愛称がこのブログなどの名前の由来にもなっている…)のスタッフに就いているとき、リーダーの赤澤清孝さんから、八幡紕芦史さんによる『ミーティング・マネジメント』(日本生産性本部、1998年)を紹介いただき、その副題「効果的会議の効率的実践」という韻の踏み方とレイアウトの整然さも気に入って、今なお、時折、手に取ることがある。

サーバント・リーダーシップ」という言葉に出会ったのがいつなのか、正確には思い出せないが、多くの人々と共に何かを決め、そして進めていく際には、「上に立つ人間」よりも「下から支える人間」が重要なときが多いように思う。反対に、誰かが決めたものを進める上では、決めた人を「支持する」人により、その(支持の)「上に立つ人間」が針路を定め、舵取りをしていく必要がある。だからこそ、「下から支える人間」が重要とされるような場面では、共に支え合っている仲間どうしが、果たして何を支持しているのか、自らの立ち位置を確認しなければならないだろう。TEDカンファレンスの中でも有名なものの一つ、デレク・シヴァーズの「社会運動はどうやって起こすか」ではないが、リーダーシップをover-glorified(過大評価)せず、むしろフォロワーは何を、誰と、どこまで、なぜ支持しているのかを常に説明できる状態にしておかねばなるまい。

実は今日、午後には草津未来研究所の、2012年度では最終となる、第5回運営会議であったのだが、このところの体調不良もあって、橋川渉市長も参加されるという会議終了後の後席は失礼をさせていただいて、自宅で養生していたのだが、夜分に電話が飛び込んできた。今、住んでいるマンションで緊急の会議を行うことになったので参加して欲しい、という内容だった。聞けば、全く持って自己完結してはならない調整事のはずが、「正統性」よりも「正当性」を主張して、個人の判断で決定したことに対してマンション全体としての対応を協議したい、ということであった。その方にとっては、「これまでのルールの尊重(すなわち、正統性:legitimacy)」よりも、「これからのツールの選択(すなわち、正当性:justification)」が間違っていない、と仰るのだろうが、にしても、そうしたことを他者に認めてもらうまで、しかるべき手続きを行い、段取りを一工夫することによって、実を取ることができたはずなのに、なんとも、調整なき調製の結果は、儚いものとして個にも全体にも禍根を残しそうな気配である。

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