月曜日から服用してきた風邪薬が切れた。5日分が処方されたということは5日で治るだろう、という医師の見立てがある。自分の身体は自分が一番わかっている、という言い回しをよく聞くが、あくまで症状に対する処方を専門家が行ったのであるから、それをきちんと受けとめて、受け入れなければならない。と、こんな小難しい言い方ではないが、妻から「ちゃんと飲んで」と、自分ではわかっていない自分のことまでも思い量って「指導」をいただいたので、きちんと飲み終えて、今日に至る。
ちなみに服用しているのは、風邪薬だけではない。いわゆる高血圧症の治療のため、日常的に2種類の薬を飲んでいる。生活習慣病の治療である。遺伝的な側面もあるものの、基本的には生活習慣に起因する病なので、生活習慣を変えられればよいのだが、なかなか難しく、薬の力に頼っている。
食べものの食べ合わせと同じように、薬も飲み合わせがある。よって、服用習慣に対して、突発的に服用しなければならなくなった薬との「相性」を調整しなければならない。今回は幸いにして「折り合い」がついたので、事なきを得た。風邪も小康状態を迎えたので、今日の晩には風邪をひく遠因となったオランダとベルギーの調査にご一緒いただいた建築家の方と経費の精算のことなどのお話もした後、妻も連れ出して、洋食をいただきに出かけることにした。
当然、人もまた、組み合わせの善し悪しがある。それこそ、アムステルダムのベルマミーア団地で「対話」こそが困難な状況を打開する(ほぼ)唯一の手がかりである、と伺ったが、それは「会話の内容」ではなく「語り合う場」が成立、継続するかが鍵だということだ。そういう観点から言えば、今日、おいしい洋食と久々の洋酒をいただきながらの対話は、互いに間を見て、場の雰囲気をつくる、「また、次」の約束を生むことできる、心地よいときを送ることができた。良薬は口に苦し、と言うが、時に、耳障りの悪い言葉もあえて交えながらの対話を重ねることこそが関係を紡ぐ上では「よく効く」のかもしれない、などと、薬と食べものと人間関係とのつながりを見いだした夜であった。
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