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2017年4月18日火曜日

長い旅路の航海終えて

「ほんとはいくつ?」と、時々尋ねられる。そこに「出生届が出されてからの年齢では…」などと答えることもある。もちろん、脳年齢、血管年齢、精神年齢、肌年齢など、肉体というか身体をとりまく年齢には、別の数え方や見立てもあろう。ともあれ、同学年の中では、良くも悪くも年齢不詳と思われることが、年々増えてきた。

それもこれも、いくつかの経験をさせていただいて、その経験を携えて多彩な取り組みの場に身を置くことができているためと捉えている。実際、今はデンマークに1年間、滞在させていただいている。そこで「なんでデンマークなんですか?」と問われることが多いが、決まって、阪神・淡路大震災の経験に触れることになる。場合によっては生まれ育った静岡県磐田市で暮らした18年の中からエピソードが、あるいは、阪神・淡路大震災の後の大学コンソーシアム京都での仕事、その後の新潟県中越地震への関わり、さらには東日本大震災のことに触れていく。

今回、平成28年熊本地震から1年のフィールドワークで一時帰国したわけだが、おかげさまで、やっと、手元に荷物が戻って来た。短い滞在の中で、多くの方からお土産を持たせていただいた。それらも2日遅れで手元に戻ってきた。インターネットの時代、記号化された私の荷物たちは瞬時に場所が判明し、運ばれてくるあいだも、逐次、携帯電話のメッセージで進展が伝えられるという具合だった。

最寄りの空港に到着して程なく、「これから運びます」と電話がかかってきたのだが、自宅の前で受け取ったとき、ふと思い浮かんだのが「♪長い旅路の〜」というフレーズだった。美空ひばりさんの「港町十三番地」である。気になって調べてみると、1957年3月10日にSPレコード盤で発売された曲だという。もちろん、私は生まれていないのだが、異国の地で時を越えて想い起こされる、そうした作品が生み出されているということに、ささやかな羨望と大きな敬意を払いたい。



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