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2017年4月30日日曜日

アンデルセンの国の桜

デンマークに来て1ヶ月が経つ。思えば遠くにきたもんだ、という文字を見て、旋律が思い浮かばれるのは、よほどの音楽好き、テレビっ子、あるいは海援隊と聞いて音楽グループだとわかる方々だろう。ともあれ、異国のまちにやってきて1ヶ月が経つが、多くの方の支えをいただいて、充実した日々を過ごすことができている。小学館のてんとう虫コミックス『ドラえもん』6巻に収められている「夜の世界の王さまだ!」にある「あったかいふとんで、ぐっすりねる!こんな楽しいことがあるか」にも通じる、当たり前のことが普通に行えている幸せ、その実感なのであろう。

今日はコペンハーゲンで開催されている「Copenhagen Sakura Festival」へ、妻と共に足を運ぶことにした。4月9日、オールボー大学でのお花見会で知り合った方にお誘いをいただいたためだ。ブルガリア出身で、デンマークに留学した彼女は、その他にも英語もドイツ語もできる。何より、日本への留学経験もあり、アニメや漫画の世界に魅せられたとのことで日本語での会話も文章も流暢にでき、今後、大学で働きたいという願いが日本で叶えば、この上ない喜びという。

人魚姫の像から程近いランゲリニエ公園(Langelinie Park)で開催される「Copenhagen Sakura Festival」は、今年で10回目を迎えたという。風光明媚な場所で開催される理由は、アンデルセン生誕200年を祝って、デンマークでも店舗を構える広島の製パン会社「アンデルセン」の高木誠一社長(当時)が、コペンハーゲン市に200本の桜を寄贈し、植樹された場所であるためだ。在デンマーク日本国大使館による大使館通信43号によれば2006年5月15日に除幕式が行われたという。また、今年はデンマークと日本の外交樹立150年ということで各種、記念事業が催されているが、150年を祝う特設サイトによると200本の桜は2007年に初めて花を咲かせたとあり、今後も、向こう数十年にわたって桜が愛でられていくのだろうと思うと、なんだか感慨深いものがある。

昨日はあいにくの天気に見舞われたというCopenhagen Sakura Festival 2017も、今日は快晴の中、大変多くの人でにぎわっていた。会場では思い思いに色つけされた鯉のぼりが迎え、そうした色つけのワークショップや輪投げなどの参加型イベントの他、民謡や神楽の披露、柔道や音楽ライブや忍術としての武術(material art)や和太鼓などのパフォーマンスなどが続いた。会場に着くなり、コペンハーゲンの日本食店等によるランチ屋台村で食事を取ったが、最後は盆踊りでの大団円となった。東北や熊本への思いも寄せられた選曲となっており、「会津磐梯山(福島県)〜薔薇のように咲いて桜のように散って〜東京音頭〜炭坑節(福岡県)〜大漁唄い込み(宮城県)〜おてもやん(熊本県)〜ラーメンたべたい(矢野顕子)〜アンパンマン音頭〜ソーラン節〜桜援歌Oh!Enka(関ジャニ∞)〜さくら音頭(木津しげり・木津かおり)」という流れの中、肌寒さが残りつつも既に葉桜となった木々を愛で、直線距離でも200km以上離れたオールボーへと戻った。



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