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2017年4月23日日曜日

交流230Vの国のあたたかさ

デンマークの電力は230Vである。日本は100Vだから、相当な高電圧だ。電力(W)は電圧(V)と電流(A)の積で求められるため、電気製品は電圧が高い方が低い消費電力で済むと捉えられる。もちろん、それも機器次第ではある。

ちなみに、いくつかの機器は馴染みのものを日本から持ってきたが、今回、新たに買ったものもある。中でも、高電圧の恩恵を受けていると思われるのがキッチン用品である。実際、それぞれに消費電力を調べてみると、電気ケトル(OBH Nordica 6411)は1850-2200W、トースター(OBH Nordica 2267)は600〜700W、炊飯ジャー(象印 NS-ZLH10)は640〜680Wであった。電気ケトルの消費電力がもの凄いが、高電圧ということもあってか、相当の早さでお湯が沸く。

そもそも、電気をつくるときに熱が発生しているのだから、電気によって熱をつくるということ自体、ナンセンスである。特に100Vの日本では、単純に言ってヨーロッパの倍以上の電流を必要とするのだから、なおさらである。電気を水に置き換えて話をすれば、同じ器に水を満たしたいとき、水圧が低ければ、より多くの時間をかけて貯めなければならないという具合に、電圧が低ければそれだけの電流が流れるまでの時間を必要とする。そうして見つめ直すと、昔、コンセントから給電するラジカセなどの説明書で電灯線という言葉が用いられていたことから、あくまで100Vの環境は電気で明かりをとるために考えられた規格であったのだと再認識する。

4月も下旬となってきたが、まだデンマーク、オールボーではダウンコートを羽織って外に出ている。家の中は温水パネルによる暖房が効いている上、機密性の高さも相まって暖かい。今日もまた、終日、日本から持ってきた宿題に明け暮れていたのだが、お昼過ぎに近所のスーパーへと買いものに出かけた。ふと、目線を地面に下ろすと、中庭でこどもたちがチョークでお絵かき遊びをした跡に目がとまり、風吹きすさぶ中でも、ささやかなあたたかさに包まれた。



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