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2017年4月27日木曜日

思いやる、助け合う、おもてなす

今日は朝から、オールボー市の西にあるボランティアセンターにお邪魔した。オールボー大学での受け入れ担当教員の一人、Mogens先生にお連れいただいたのだ。Mogens先生によれば、ボランティアセンターは他にも文化部門など複数あり、今回お邪魔した「De Frivilliges Hus」は社会福祉分野のセンターであるという。もともと木炭採掘の企業が使用していたと思われる(「Land Skal Vindes」の建物とあった)近代建築が利用されており、入口ではセンター長のBjarne Søltoftさんに、約2時間のインタビューには副センター長のCharlotte Meng Kristensenさんに対応をいただいた。

建物に掲げられたバナーに、デンマーク語でボランティアを意味するfrivilligと言う言葉を見て、これは「free」と「will」から来ているとMogens先生から説明を受けたこと、また、大阪ボランティア協会の早瀬昇さんがボランティアの「vol」がラテン語の「volo」から来ており、火山を意味する「volcano」のボルとも通底する、という解説を想い起こした。2時間のインタビューでは、デンマークというか、オールボーのボランティア事情と、若者の者会参加についてお伺いした。また、最後には妻のボランティア活動への参画の可能性についても意見交換をさせていただいた。簡単にまとめると、1970代以降、高い税率の中、共働きの家も多く、さらにシングルペアレントの家庭も増える中で、「助けられる権利(right to get help、と仰っていた)」という観点(mindsetと仰っていた)が浸透し、自治体の財政悪化もあいまって、専門職によるケアだけでなく平等・対等な関係のもとで支え合い、時にロールモデルともなりうる人々が介在することが大事とされてきたという。

また、デンマークで市民社会を捉える上で重要なキーワードが「forening」である。お邪魔したボランティアセンターのホームページにも「borger(citizen:市民)」、「frivillig(volunteer:ボランティア)」、に並んで強調されている。foreningは英語ではassociationとなるようで、趣味のサークル活動を意味し、インタビューの中では「folk education program(民俗教育科目)」の担い手にもなっていると紹介をいただいた。その流れで、妻にはボランティアやforeningの活動拠点となっている「Elsk Aalborg(英語ではLove Aalborgとなる)」を尋ねてみてはどうか、と投げかけられた。

ボランティアセンターの後は、オールボー大学の図書館に寄っていただいた。昨日、やっと大学のIDカードをいただけたので、これで晴れて、24時間、図書館に入退館できるようになった。明るく、活気があり、しかしそれぞれの学びが互いに尊重されている空間だった。こうした雰囲気や、半日以上、おつきあいをいただいたMogens先生のお人柄などに対し、Elsk Aalborgが掲げている3つのスローガン「kindness(思いやり)」「Helpfulness(助け合い)」「hospitality(おもてなし)」が、教養人には身についているのだろうと感じた一日だった。


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