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2017年4月28日金曜日

専用できること優先されること

コペンハーゲンほどではないが、オールボーも自転車レーンが多い。一部には自転車専用道もある。歩道よりも自転車道が広いのは、ほぼ当然である。実際、自転車の方が一台あたりが通過し、対向車とすれ違うために必要とする空間が大きいから、必然である。

最初、デンマークに来た際に、何気なく歩いていたら、そこは自転車道だったことが何度かあった。街中ではインラインスケーターが一部、バイクレーンを使うこともある。ただ、インラインスケートがバイクレーンを使っていいかどうかは、ややグレーな話のようでもある。ともあれ、渋滞による道路混雑への対応策として、そうして、自転車乗りが尊重されるというのは、なかなかうらやましい。

一方、日本での暮らしを想い起こし、優先という言葉と専用という語用が、もう少しスマートになればいいのに、と感じている。阪急電車では1999年から8年間横浜市営地下鉄では2003年から2012年まで、全車両の全席が優先席だとして、優先座席を置かなかった。しかし、優先席がないことによって優先されてしかるべき方々が優先されない傾向が強くなったもようで、ないいずれも以前とは別の形ではあるが、再導入に至っている。そんな悲しい状況を憂い、「印籠」のように出すパスを高額で販売すれば、一定の需要と受容がもたらされるのではないか、などと夢想することがある。

山がないデンマークだが、季節のせいなのか、天気が変わりやすい。今日は終日、8月にアイスランドのレイキャビクで開催される国際学会にエントリーするための準備をしていたが、一息ついたところで、近所のスーパーへと買いものに出かけた。傘を差して歩く人よりも、小雨に降られながらも急ぎ足で自転車道を駆け抜けていく人の方が多かった。他人の所作に関心を向け、優先ではなく専用の空間が用意されるのも、見渡す限り広がる空があるからかもしれない。



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