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2017年4月20日木曜日

言葉と予定が増えた一日

今日は在留証明を発給してもらうため、コペンハーゲンの日本国大使館に赴いた。映画やテレビの影響か、大使館というと、柵を越えて亡命をするというイメージがある。しかし、在デンマーク日本国大使館は、海に面した新しいビルの9階の一角にある。事前にメールでやりとりを重ねていたので、30分もかからず、用は済んだ。

せっかくコペンハーゲンにまで足を運ぶのだから、と、出国前から紹介をいただいていた方とお会いすることにした。コペンハーゲンの南にあるキューゲ(Køge)で教育のお仕事をされている方である。ご紹介いただいたのは、中之島の英語のクラスでご一緒させていただいた方であり、家族ぐるみでおつきあいをされてきたという。メールでのお引き合わせもいただいていたが、昨晩は直接お電話も頂戴し、お会いする前から、改めてあたたかいお人柄に触れてお目にかかることになった。

待ち合わせは繁華街のデパートの地下で、となった。日本人は買い物が好き、と思われているのか、などの思いも巡ったが、比較的落ち着いた地下の喫茶店で待つことにした。濃いめのカプチーノを飲みながら、これまた出国前に餞別の一つとしてサトウタツヤ先生からいただいた『デンマークの教育を支える「声の文化」』(児玉珠美・著、新評論・刊、2016年)を読み進めた。一足先に読了した妻からの薦めもあって、このコペンハーゲン行きのお供にしたのだが、前掲著の鍵概念である「オラリティ」の観点、そしてその背景にあるN・F・S・グルントヴィの教育哲学は、待ち人を迎えるにあたり、極めて有意義だった。

仕事を終えた待ち人がお見えになったのは15時半頃だった。そこからアマー広場などをはじめとして、市内中心部を案内いただいた。その後、ニューハウンのレストランでデンマーク料理とビールをいただきながら、互いの関心について語り合った。それらを通して得たことばは「medborgerskab(英単語に分解するとtogether, citizen, ship)」だった。6月には、グルントヴィの示した理念が今なお残る、教育システムとは切り離された学びの場「フォルケホイスコーレ」に関する年に1度の集会「Folkemødet(英単語に分解するとpeople's meeting)」があることも教えていただき、いよいよ、カレンダーに予定が増えてきた今日この頃である。


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