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2017年10月28日土曜日

デンマークにも鰯があるゆえに

女心と秋の空、という表現がある。移ろいやすいことを指しての表現である。別に女性だけが移り気ではなく、個人差があるだるう。対極の表現を探るなら、ネチネチした男を批判して、男心は梅雨の空とでもなるだろうか。

なんとなく「うろこぐも」という言葉の響きが印象に残っているが、これは他にも「いわしぐも」や「さばぐも」と呼ばれるらしい。鱗も、鰯も、鯖も、それぞれに魚の比喩である。澄み渡る空を海に見立ててのことだろう。気象用語では巻積雲と呼ばれ、同音の絹積雲という表記もなされると、大辞泉にもWikipediaにも説明があった。

今日は月末締切の日本語での論文を、ただただ進めていった。自宅での作業のため、どうしても目と肩と腰に負担がかかる。そのため、適度に休憩を挟んで、空を見上げる。徐々に夕方が訪れるのが早くなっているのを感じながら、インプットの時間だけでなく、アウトプットの時間をいただけていることを有り難く思う。

今日の夕方の空は巻積雲ではないと思われるが、秋を感じさせてくれる雲と空のように感じた。花や木の名前に明るくないように、身の周りの風景を表現する言葉をあまり持ち合わせていないことを痛感する今日この頃である。デンマークでもまた「鰯雲」などと呼ぶのかはわからないが、デンマークでは鰯をよく食べる。「この前、鰯の鱗のような雲が出ていたね」などとデンマーク語で会話できる日が訪れるとは想像ができないが、ふとしたときにそうした会話を楽しむことができるよう、少なくとも英語の力量は高めたいものである。


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