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2017年6月25日日曜日

Vikingとバイキング

 日本でバイキングと言えば、今は昼の番組を指すのかもしれない。かつて、その時間帯に「笑っていいとも!」という番組が31年半にわたって放送されていて、しかも正式には番組名に「森田一義アワー」と、司会者の個人名が掲げられていた、ということを説明しなければならないときが来るだろう。いや、ややもすれば、「笑っていいとも!」について説明した後で、「バイキング」という番組に触れられる場合もあるかもしれない。ただ、Wikipediaなどにより情報が相互に編集され、YouTubeなどのメディアのプラットフォームがあれば、生放送で観てこなかった人にも、コンテンツそのものは伝わっていくだろう。

 今日はオールボー空港の近くにある、リンホルム遺跡(Lindholm Høje)で行われたViking(よって、ヴァイキングと表記する)の市場に出かけた。昨日と今日の2日間にわたって開催されるもので、大規模なマーケットは毎年1回、6月の最後の週末に行われ、25年以上続いているようである。企画・運営はVikingegruppen Lindholmhøjeというヴァイキングに関心のあるボランティアらの団体が担い、オールボー市が支援、また遺跡に設置された博物館が協力しているという。それもあって、マーケット会場への入場料(1人60デンマーククローナ)で、博物館も鑑賞(通常30クローナ)できると案内された。

 2日間の市場では、手作り品販売、また実演販売、飲食ブース、そして音楽の演奏、フクロウ(かミミズク)と鷹つかいによる技の披露、そして1000年以上の前の戦いの様子の再現などが行われた。朝は10時から開いていたが、13時ごろに会場に到着した。一回りして、炭火焼きのパンとラムのサンドウィッチに舌鼓を打った。そして、音楽や鷹のパフォーマンスを垣間見、小雨が舞う中、50人ほどによる戦いの再現にかぶりつき、博物館も訪れて会場を後にした。

 ヴァイキングという海賊というイメージがあるが、フィヨルドと呼ばれている入り江のあたりに住む農民や漁民であったという。それが、武装して船に乗り、域外へと出て行った理由には諸説が挙げられている。ただ、時を経て20世紀の日本には、多くの品をテーブルに並べるという、スウェーデンでのパーティー料理の様式「スモーガスボード(smörgåsbord)」に着想し、後に料理長となる村上信夫さんの研究のもと、帝国ホテルで食べ放題のレストラン「インペリアルバイキング」が開店したことで、バイキングの名は広く知れ渡っているだろう。改めて、ヴァイキングの歴史や文化について触れた夜、昨日、妻が知り合いから譲っていただいた白滝などを使い、今、入手できる素材によるデンマーク風すき焼きをいただくことにしたのだが、IHコンロで小さめの鉄鍋に収まったその仕上がりは、まるでバイキングレストランに並んでいるものようにも思えた。


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