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2017年6月7日水曜日

一元化ゆえ届く請求

 我が家にも、ついに「DR」から請求書がやってきた。DRとは元々Danmarks Radioの略称で、英文名はDanish Broadcasting Corporation、そう、デンマーク放送協会のことである。1925年発足の公共放送(当時の名前は「Radioordningen」で直訳すればRadio System)で、翌1926年には国営放送(Statsradiofonien)に改称、1959年には先に示したDanmarks Radio(デンマーク放送)に再び改称され、1996年からは略称のDRが正式名称とされたとのことである。ちなみにラジオ放送は1926年に、テレビ放送は1951年に、それぞれ開始されているが、テレビ放送も電波を用いていることを考えれば、Radioとあってもラジオ放送局のみに留まらないことを自明としている。

 請求書には「Husk medielicensen(英語ではRemember the media license)」と大きく書かれている。デンマークでは、テレビ、コンピュータ、スマートフォンもしくはタブレット端末を持っている家庭は、全て、この「マルチメディア税」を支払わなければならないのである。2017年の税額は年間2,492デンマーククローナとのことで、2017年6月7日のレート(約16.6円)で換算すれば42,000円弱(41,367.2円)となる。ちなみに2017年のNHKの年間受信料は衛生契約だと24,770 円、地上契約の場合は13,990円と、デンマークに比べれば安価に思えてくる(衛星・地上とも12ヶ月割引・口座振替もしくはクレジットカード払いの場合)。

 medielicensenの請求があることはオールボー大学のwelcome meeitngでも説明されていたが、届くか届かないか、どのタイミングで届くかは、人によるという。私が参加した2017年5月のwelcome meetingでは「最初に掛かってきた電話がマルチメディア税を払え、というものだった」と語った方がいた。昨日も行政の窓口で苛立ちを覚えたのだが、こういう制度運用における手続きの曖昧さが時にデンマークへの理解を苦しめる。ちなみに届いたら必ず払わなければならず、それがマルチメディア税と訳される所以である。

 我が家に届いた請求書は「半月払いか月払いか」の選択肢と、銀行の口座番号を記入、日付と署名を入れて返信用封筒で送付するタイプのものだった。恐らく、先月末に銀行口座が(やっと)開設できたので、それによってCPR-Number(いわゆるマイナンバー)に紐付けされている居住実態と銀行口座が明らかになり、自動引き落としによる請求書が届いたのであろう。ちなみに、4月5日に住民登録を終えているため、今さら届いたのか、という感は否めない。一方ですんなり払おうという気になったのは、テレビは置いていないものの、iPhone(及び携帯型音楽プレーヤーと言うべきか、つまりはiPod touchで)9チャンネルあるDRのインターネットラジオ(P4が10地域の各放送局の編成のため、実質18チャンネル)のうちの一つ、DR P8 JAZZをお気に入りで聞いているためであり、今回納める税金が効果的に使われることを願うばかりである。


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