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2017年6月16日金曜日

はしごを架ける

 デンマークの朝は早い。仕事終わりが15時という人も多いこともあろう。それに加えて、今の季節は朝4時くらいから明るいということも重なっている。今日は8時から受入担当のMogens先生とリサーチミーティングを行った。オールボー大学の心理学部の基本棟があるKroghstræde 3に行くと、ちょうど朝のコーラスの時間だった。

 Mogens先生の研究室に着くと、テーブルの上にはコーヒーが用意されていた。Mogens先生は紅茶を好むようだが、私のコーヒー好きを知っていただけているようで、お代わりの分まで用意をいただいていた。デンマークに来て2ヶ月あまり、こうした配慮を重ねていただいている。充実した研究環境が得られていることに感謝の念が絶えない。

 今日のミーティングでは、4月21日のリサーチミーティングで紹介いただいた参加型学習にあたっての「はしごモデル」を深めることになった。まずは長いこと借りっぱなしになっていたスウェーデンの哲学者、Bengt Molander著『The Practice of Knowing and Knowing in Practices』の返却と、感想交流から始まった。そして、デンマークの夏休みの取り方と、大学の学年暦について説明いただきつつ、大学の教学システムについて解説をいただいた。約2時間取っていただけたものの、心理学部における各セメスターでのカリキュラムとPBLの組み合わせを丁寧に教えていただく途中で時間切れとなってしまった。

 ちなみにMogen先生の言う「はしごモデル」は、Jens Rasmussenが1976年に示した「The decision ladder template」を単純化したものである。Rasmussenモデルは、いわゆるコンピューターによる情報処理がメタファーとされているように見受けられるが、Mogens先生によって単純化されたモデルでは、場の認識よりも場の設計が志向されていると見受けられ、興味深い。何より、私の立命館大学での教育実践にも引きつけて説明をいただけているので、余計に関心を寄せている。帰り際にはMogens先生がお好みのデンマークのユーモア集の本をプレゼントくださった上、次回はまた夏休みの前、もしくは夏のどこかで、ということになったのだが、私は小刻みに夏を楽しむために、今晩から、スコットランドに足を伸ばしたのであった。


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