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2017年6月19日月曜日

出汁とシーズニングと

 「昨日の晩ご飯は親子丼でした。」何の変哲もないことのように思われるかもしれないが、それがデンマークで、となると、特別な事柄となる。デンマーク到着後、近くにある比較的大きな方のスーパーで、お粥用の白米を売っていることを知り、4月の一時帰国の際に炊飯器を購入してきた。もちろん、鍋でも炊飯はできるが、やはり文明の利器を求めることにした。

 今日はその親子丼の残りをいただいた。ちなみに、というか、もちろん、というか、調理は妻が担った。これまで、パスタを中心に、デンマーク生活において工夫を重ねてきたものの、あるものを工夫して日本食も作ろう、と決断したとのことである。水も素材の味も違うこともあって、多少、風味や食感が異なるものの、少し懐かしい味を楽しませてもらった。

 和食が出汁文化だとすれば、ヨーロッパの食事はシーズニングの文化である。5月に日本からのおみやげとして七味唐辛子をいただいたときにはスパイスの文化と記したが、調味料による味付けという意味では、シーズニングという方がふさわしいだろう。もちろん、醤油と味噌といった、和食独特の調味料の存在も大きい。しかし、それにも増して、出汁が素材にもたらす機能が決定的に重要であろう。うまみを際立たせるのが調味料だとすれば、素材を引き立てるのが出汁、そんな気がしている。

 シーズニングとはseasoningと書き、季節をあらわすseasonにingが付いたものとも捉えられるが、ラテン語のsatioを語源にしたsowing、つまり種まきを意味するという。料理への種まきが調味料だと捉えると、なんだか料理に対する見方が広がる気がする。ちなみに今日、親子丼には海苔をまぶして味わせていただいた。デンマークでもデンマークで好まれるかたちで寿司が食されているために簡単に購入できた海苔であるが、懐かしい風味の重ね合わせは、「おいしゅうございました」。


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