デンマークに来たのはサマータイムが始まってすぐの頃だった。ダウンコートは6月くらいまで羽織ることがあったが、季節は確実に夏へと向かっていった。そして今、確実に冬へと向かっている。2月には体調を崩す人が多いと聞いていたが、それは12月をピークとして短くなっていく日照時間の短さに対する、身体のリアクションなのだと想像できるようになってきた。
春から夏にかけての時期には、かくも多くのろうそくが売られているのかなぜか、と疑問を抱いていた。しかし、今は合点がいく。電気の明るさではなく、灯りの揺らぎ、この両者の違いは大きい。癒やし、というと軽く感じ取られてしまうかもしれないが、ろうそくは暗く長い夜を楽しむための手頃な道具なのである。
卓上や窓枠に置くために、白いミニキャンドルは調達済かつ使用中であるが、今日は赤いミニキャンドルを調達した。そして、早速使いはじめてみた。赤は赤の雰囲気も多少出るのだが、それ以上に、揺らぐ灯りが心地よい。そして、キャンドルの赤よりも、橙の灯りが、部屋にやさしい彩りをもたらしてくれる。
長い夜に対して短い昼のこの季節、メリハリのある仕事のリズムが整いつつある。昨日はリサーチミーティングとグリーンランドハウスの見学の間に、ある論文の査読を仕上げたし、今日は11月22日に掲載予定という京都新聞の原稿を仕上げた。ただ、京都新聞の原稿は、今ひとつピンとくるものを書き上げられず、5つの素案を送ってみた。はてさて、どれが採用となるか、そして採用されなかったものはどうしようか、日本では悩むことがなかった類いの悩みを楽しんでいる。
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