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2017年11月4日土曜日

自らの経験を通してこそ真のギフト

参加型リーダーシップ(Art of Hosting: AoH)のワークショップ  、3日目である。今朝もオプションプログラムから参加した。今日は2人が企画で、まずは英国から参加のサックスが趣味のMaxさんによる「右手でトーン、左手でボリューム」というルールでの声を使ったワーク・3人で行う殺陣の真似を使ったフォーカスゲーム・椅子取りゲームの3連発と、コペンハーゲンから参加のEvelinさんによる3人1組での無言での即興演劇だった。そして朝食の後はセッションとなった。ちなみに朝のセッションを始める前には1曲歌ってから始めるのがデンマーク流で、昨日は『Family of Man』、今日は『The chaordic path』だった。

最初のセッションは3人のグループになり、一昨日と昨日までのあいだで最も重要として持ち帰りたい知恵は何かを語る、というものだった。付箋紙に記したもの「個人的なものーグループで共有できたもの、具体的なもの−(まだ)説明がつかないもの」に分類することで、4象限に分かれる知恵を、「ソーシャル・キャピタル」、「戦略ツール」、個人の暗黙知、個人の形式知、整理された。続いてはロープを使った8人組のワークで、協力し合うことの原理を体感的に理解するものだった。そして、そのままロープを使って、先ほど示したような集合的な形式知としての戦略ツールを生み出すためには「発散〜創発〜収束」のプロセスを辿ることが大切だ、と示された。

午前中にはもう一つ、4つのArt of Hosting(場の担い手が持つべき素養、と訳しておく)について4つのグループ(「いつ、何を使うか」「戦略的な成果をもたらすには」「効果的な質問とは」「自分の組織に応用するには」)に分かれてのミニレクチャーがなされた。私はMonicaさんによる「戦略的な成果をもたらすには」に参加したが、よりよい成果を収穫物として得るためには農の比喩のとおりに準備が最大の鍵になることを、ご自身の経験をもとに紹介くださった。そして昼食に続き、「Open Space Technology(OST:場を開く技)」のワークとなった。以前、ある場所で行われた会議では、主催者と参加者がうまく折り合いがつかなかったのか「フリーマーケット」と勘違いされたことがあったようだが、これは日本で言えば「この指止まれ方式」でセッションを主催し、主催者は「誰でも歓迎する、時間通りに始める、何が起きてもなるようにしかならない、時間が来たらきちんと終わる」の4つを、主催者と参加者は「貢献しようとと思わない、学ぼうと思わない、情熱を大切に、責任を果たす」が守られるために「主催者は何をするのかきちんと呼びかける、参加者は移動は自由(蜂のように舞う)、しかし最終的に参加した場で振り返りの時間を過ごす(蝶のようにたたずむ)」が求められた。


40分1本のOSTが2ラウンド行われて、夕方の休憩、そして夕食をはさんで「Collective Story Telling」の時間となった。これは2人の話題提供者の語りから、いくつかの視点(今回は「手探りの状況の中でも何を学んで実践に取り組まれたか」「活性化をもたらしたのは何か」「個々人と集団とのあいだでどのような関係づくりがなされたか」「自分から動いた部分と周りからの動きに応えた部分とはどんな兼ね合いがあったか」など、目的によって視点には幅があってよい)で学びを紐解く、というものである。会場は部屋の照明を抑え、ろうそくとソファーと電気スタンドが用意され、デンマークの習慣の一つ「hygge」(ヒュッゲ:落ち着いた雰囲気でのおしゃべりの場、という具合に、一言では表現できず、暗く長い冬を屋内で過ごすために根付いた文化)を再現したかのような演出がなされていた。私は昨日の「Appreciative Inquiry」でも用いられていた「Witness」(証人)という立場で参加し「聞き手となった私に、また共に聞いていた私たちに、どんな変化がもたらされたか」のグループに入り、最後にコメントをするとととなり、「自らの経験を通してこそ真のギフト」のアドバイスのもと、率直な印象を延べ、長い一日が終わった。


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